誰もが覚えのあるほろ苦い恋愛小説。 誰もが声を上げる驚愕の仕掛け-
ぜひ、2度読まれることをお勧めします。 ミステリチャンネル『闘うベストテン2004』 第1位 『2005本格ミステリ・ベスト10』 第6位 『このミステリーがすごい!2005年版』 第12位 イニシエーション・ラブ 乾くるみ (原書房) イニシエーション・ラブ 単純に和訳すると通過儀礼的な愛。そして、小説のジャンルはミステリー。 この二つがどう絡んでいくのかとっても興味があって、読んでみたいなーと思っていた矢先、なんと課長の机の上で発見。借りてきました。 借りた時にいわれた言葉が「騙されるな、裏があるよ・・・」 (少しネタバレの部分があるので読んでいない方はご注意くださーい) 帯にあるミステリーというほどではありませんでしたが、なるほどと唸りたくなる仕掛けが至るところにありました。 普通に読んでいくとまゆちゃんとたっくんが繰り広げる'80年代を舞台にしたただの恋愛小説。 でも最後の2ページ、いや2行で「あれれれれ」という展開。 なんだなんだ何が起こった???と読み返してみると 「アラアラこんなところに」と至るところにたくさんの仕掛けが仕込んであるのに気付きます。 1つのキーワードに気付くと芋づる式に謎が解けていき、登場人物に抱いていたイメージがガラリと変わります。 最後まで気付かせずに読ませてしまう著者の文章力と展開力に驚かされます。上手です。 でも本当に何も知らずに読んだら普通のほろ苦い恋愛小説だと思っちゃいます。 ミステリーというほどのものでもないけど、何が隠されているのが自分でも探りながら楽しく読むことができました。 乾くるみ氏、どうやらこの方男性のようです。 名前からしても読みやすい文章からしても途中までてっきり女性だと思っていましたが、ストーリーだけでなく名前にも騙されるところでした。 自分なりにストーリーを組み立てて探りながら読んでみるのも楽しい。 新しい本の読み方を発見した一冊でした。
by 96bb058r
| 2005-05-31 23:23
| Book
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